クライミング 遭難

小川山滑落記録 1

2022.6.4 滑落当日

滑落したのはちょうどお昼頃。

なぜ堕ちたか・・・結局のところ、登った場所が悪かった。ということです。

そのルートに行くまで、計画段階からいろいろ問題はあったのですが、

そのあたりはここに記載できないこともあるので記さずにおきます。

ただ、どんな山行においても、パーティは信頼のおけるメンバーと組んで、

しっかりとした計画を立てることは、本当に大切なことだと実感しています。

なんで滑落したか直接の原因は、計画段階でちゃんと登るルートをお互いに把握できておらず、

ルートではないところをNPで登って、その支点が外れて滑落してしまったということです。

リードで登りながら、ずっと嫌な感じはしてたんだけど。

こんなところ誰も登った形跡もないし、足場もすごく悪いし。

落ちる瞬間から落ちた後まで、ずっと意識はあった。

支点がパキッと外れる音がし、頭を打って、背中を打ちました。

頭は打ったんだけど、ヘルメットをしてたのでほぼ支障なし。

私は、以前フリークライミングで落ちた人が頭を打って流血しているのを見てから、

ヘルメットはフリーでも絶対につけるようにしています。

その人は、とりあえず大したことはなかったのですが、打ちどころが悪かったら・・・。

私はヘルメットのおかげで、頭は大丈夫だったけど、落ちたあと、背中の痛みが半端なくて。

さらに、呼吸もできなくなってしまった。

背中はヤバいな、これ後遺症が残るかもというのもあったけど、窒息死するかもというのが先に頭をよぎった。

3人パーティだったので、すぐに2人が警察と消防に連絡してくれました。

落ち着いて対応してくれる山仲間は本当に貴重な存在です。

待っている間に呼吸は落ち着いてきた。よかった、窒息はしないで済んだ。

余談ですが、先に警察に連絡すると、遭難事故として報道に載せられるようです。

過去に、雪山で怪我をして歩けなくなったのに、報道されるのを嫌がり、

救助を呼ばすにパーティメンバーに迷惑をかけてた人がいましたが、絶対にやめましょう。

セルフレスキューで対応できることはするべきですが、それ以上は責任問題にもなりかねません。

それから1時間弱待っていると、山岳救助隊のかたが現れて、

担架で広いところまで私を運び、そこから救助ヘリで病院へ。

簡単に書いたけど、実際はこんな簡単ではないです。

私を常に気遣ってくださって、みなさん、常に声をかけ続けてくださいました。

頑張って、大丈夫ですか、少しだけ辛抱してくださいね、もうすぐですよ・・・

本当にあの場にいた皆様に感謝です。

あの方たちの迅速な流れるようなレスキュー技術のおかげで

私たち登山者は安心して山に登れるんだなと痛感しました。

次回は、病院に着いたところから。

こちらもご覧ください。小川山滑落記録プロローグ

  • この記事を書いた人
さとみん

みずえ

登山帽子クリエータ〜として活動中。運動音痴だったのにも関わらず、40歳過ぎから登山をはじめる。今ではハイキングだけでは物足りず、雪山、沢登り、さらにクライミングもという、なんでも来い!状態。とはいえ、走るのは苦手なので、トレランはできない。所属の山岳会では技術指導を担当。 ココナラでは、登山に関する相談も受けてます。

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