5、6年前に三俣山荘でもらった伊藤新道のイラストマップには橋は一つもありませんでした。
そのマップをもらったときから、いつか行きたいと切に願っていた憧れのルート。ちょっとスリリングって、ワクワクしますよね。
クラッシックルートと呼ばれていましたが、今年大幅に整備され、沢の核心部には3つの橋も架けられ通行しやすくなりました。
現在は、湯俣約1300mから1600mまでは湯俣川の渡渉を繰り返しながら4時間程、そこから尾根に上がり、三俣山荘まで標高差1000mを4時間程で歩くルートとなっています。
今年は特に極端に水量が少ないため、沢の渡渉の困難さもかなり軽減されています。
そのため容易に行けてしまうルートになっていて、行けてしまった人たちが発信する情報を拾いすぎて行く前から相当踊らされた感じがありました。
トレランシューズだけで行けた。ロープも沢装備も不要。
確かに今年はその通りだったのですが、軽々行けたという情報がデフォルトになることを小屋の方達は懸念しているとのことでした。
後半の尾根部分はかなり急登なところがあるものの、マークも踏み跡もあり迷うところはほぼないです。体力さえあれば行ける。
やはり前半の沢の部分は、第一の橋が流されるぐらいの水量になることがあると考えると、しっかり備えるのは当たり前なのではないかと思います。
今回の渡渉では多くても膝部分ぐらいまでしか水量がなかったですが、本当ならその倍はあってもおかしくはない。そうなったら、沢にかかるコースタイムも倍になったかもしれません。
なので、行けてしまったではなく、基本的にはバリエーションであるということを頭に入れたP D C Aをするべきなのではないかと今も思っています。
もしもっと水量が多かったら自分の荷物の量や体力は大丈夫だったか、そう考えると課題はたくさん出てきます。
あまりにすんなり行けてしまって、これでよかったのかな感が満載で、よけいなことを思ってしまうのかもしれません。
この3日間で北アルプスだけでも遭難が10件以上あったことを考えると、行きたいだけでは行ってはいけないときもあるのを痛感します。
自分にとっては、何年も前からいつか行くと決めていたルートだったので、行けたことには満足ですが、もう少し早く行っておけばよかったなと思っています。
あと、こういう沢まじりのルートはいつも靴を迷うのですが、装備を減らすためにラバーソールの沢靴だけにしました。ただ、普通の登山道では沢靴のインソールで少し足を痛めたので、別でインソールだけ持っていくという手もあったかなと思いました。
駐車場は、3連休の高瀬ダムの駐車場は9:30では満杯で七倉ダムの駐車場に停めました。
そこからだと、タクシーはプラス1000円ぐらい。ただ、普通の土日なら、朝早く行けば高瀬の駐車場に停めれないということはないとタクシーの運ちゃんが言ってました。
なにはともあれ、天気に恵まれた伊藤新道がいい山行だったことは間違いない。
湯俣川も歩いておもしろいところであることも間違いない。
来年以降行かれる方は、湯俣川の水量に注意して行ってください。
(三俣山荘付近標高2000mでヒルいた(ありえへん!)ので、気をつけて)